この「質問×3」は物語の読解のために設けている物ではなく、その物語の特徴的な要素をトリガーにして、読者自身の人生の物語を深めてもらう仕組みです。ですので、紹介している民話・神話・伝説の読解を深めたい方は、この質問をスルーして大丈夫です。
「質問×3」の活用方法とコツ
ピンとこない質問は無視して大丈夫です。
順番どおりに考える必要はありません。
うまく思い描けない場合は、一つだけピックアップして、画面から目を離して考えてみてください。
「コンテンツ制作者に教える」というより『自分が整理するために人に話す』といったスタンスで書いてみてください。書かなくても、考えるだけでも問題ありません。
いやなことを思い出しそうになったら、すぐ「膝を10回たたく」「昨日の夕食を思い出す→今晩の夕食を何にするか」などで気をそらしてください。
質問×3の作り方
そのお話しが、他のお話と比べて特徴的な部分に言及する/過去を想起させる/未来を思い描く/その人の価値観が現われそうな質問にする/3つに絞る
といった簡単な指標を基に制作しています。これはある種のカウンセリング・コーチングの手法を簡易的に取り入れて作られています。ですので、物語をしっかり読まなくても質問だけでも内省的に使えます。
ひとつの質問から思い浮かんだことをもっと深めていくのもおススメです。
例)それのどんなところが自分にとって大事だったのか?
「質問」×を設けた意味と意図
昔話」を求める人は、大別すると以下のような3つに分けられるように思います。
①楽しむ(簡単な物語である面に着目) | ②効果に期待する(情操教育的な側面に着目) | ③文化として遺す(学問的な面に着目) |
①②は、より生活に密着していて、(意地悪く言えば『俗・即物的』)、③はより学問的(意地悪く言えば『食えない・硬い・”公的”なものにすり替わりやすい』)だと思います。
「蛇物語」は、③のアカデミックな面は専門家にお任せし、より①②の層により刺さるコンテンツとしてこのウェブサイトを構築するという考えのもと作られています。
その際、②の層に対するアプローチが薄い問題を解決する手段として、
末尾に、内省を促すような質問を追加する
ということを思いつきました。ここを厚くすることで、「なぜこのコンテンツが独立したウェブサイトとして作られなくてはならないのか?」といった自分自身が抱いていた疑問にもより納得感を持つことができました。
昔話」と「カウンセリング」の親和性については、友人の臨床心理士を介して「河合隼雄」先生の論にてよく言及されていますし、私は専門家ではないのでここで詳細を書くことは控えます。
気になる方は、河合隼雄先生の著作や論文を読んでくださればと思います。
といっても、このウェブサイトのカウンセリングに対する思想・理論は河合隼雄先生の手法を踏襲するものではなく、河合隼雄先生の著書を幾つか読ませていただいたり、自分自身もある種の「カウンセリング・コーチング」の勉強をしたりしてそこで得た知識と体験を組み合わせた独自の思想・理論に基づいています。
そのうえで、私が提供できるカタチは何であるか、と考えた結果、このようなウェブサイトに(暫定的に)落ち着きました。